東急ハーヴェストクラブ箱根甲子園
箱根ならではの“食”の愉しみを探す中、
仙石原のクラフトビール「箱根麦酒」という逸品に出合う。
今回は和洋の料理人がそれらのビールに合わせた
ペアリング料理を提案する。
My Harvest
開業20周年を迎えた東急ハーヴェストクラブ箱根甲子園。The Dining「四季彩」ではアニバーサリーメニューとして、洋食の新井満と和食の水口浩昌が共演する和洋折衷コース「慶~Kei~」を3月末まで提供中です。1〜2月は、前菜と進肴に箱根ならではの“食”の愉しみを模索する中で出合った「箱根麦酒」とのペアリングも提案。親和性のある地元の味を創り上げます。
「箱根麦酒」を手掛けるのは仙石原の酒屋、山川屋の三代目である勝俣明人さん。クラフトビール好きが高じて、相模原のジャズブルーイング藤野でビールを学び醸造家になったそう。現在は山川屋内で、アメリカンスタイルの「インディアペールエール」とヨーロピアンスタイルの「ベルジャンホワイト」を造っています。2種類のビールは麦芽や香り付けなどの原材料、酵母がそれぞれ異なっており、このさじ加減が醸造家の腕の見せどころ。どちらも、ろ過した麦汁を熱処理しない生ビール製法で、冷蔵保存しながら澱を沈殿させるコールドクラッシングという行程により、クリアな味わいに仕上げています。
通常は料理にお酒を合わせるペアリングですが、今回は、洋食を担当する新井と和食を担当する水口がこの2種類のビールに合わせ、料理を創作するアプローチを試みました。箱根甲子園ならではの食を愉しんでほしいという、料理人の心意気にご期待ください。
1〜2月の和洋折衷コース「慶~Kei~」は、突き出し・前菜・メイン・デザートを洋食、お椀・お造り・焼八寸・揚げ物・お食事を和食が担当する全9品で構成されています。
前菜は「インディアペールエール」のペアリングとして考案した「やまゆり牛のタルタル 寿雀卵の温度卵と黒トリュフのプリマネーベ」。神奈川県で育てられるやまゆり牛のランプ肉を2時間かけて低温調理し、細かく叩いてタルタルに。仕上げに香ばしくバーナーで炙って、塩と白トリュフオイルでマリネした伊勢原産の寿雀卵の卵黄と、黒トリュフをトッピングしました。
「ビールは食事のスタートにお飲みになることが多いと思いますので、前菜とのペアリングを考えました。インディアペールエールが持つ奥深い香りとホップのほろ苦さとの相乗効果を生み出せるよう、トリュフはもちろん、タルタルの中にもガーリックオイル、パセリなどいろいろな香りを重ねました」(新井)。
「ベルジャンホワイト」に合わせるのは、和食の「ふぐのあげもん」です。フグの切り身は玄米の衣をつけて香ばしく揚げ、白味噌風味の白子は湯葉で包んでカリっとパン粉揚げに。上からすった唐墨を散らした和食料理長・水口のオリジナリティをお愉しみください。
「ベルジャンホワイトは爽やかな飲み口が特徴なので、冬のごちそうであるフグの揚げ物を合わせました。淡白な白身と濃厚な白子、それぞれのペアリングの妙をお愉しみいただければと思います。ビールのフルーティーな香りに響き合う酢橘を搾ってお召し上がりください」(水口)。
進肴
ふぐのあげもん白子包みフライ
玄米香煎揚げ唐墨ちらして
和食料理長 水口 浩昌
前菜
やまゆり牛のタルタル
寿雀卵の温度卵と黒トリュフのプリマネーベ
洋食料理長 新井 満