東急ハーヴェストクラブ京都鷹峯/VIALA annex京都鷹峯
東急ハーヴェストクラブRESERVE京都東山 In THE HOTEL HIGASHIYAMA
いまや日本人にとって切っても切れない食文化の一つであるお茶。
もともとは平安時代に、中国から遣唐使や留学僧によってもたらされたと伝えられている。
その後、日本茶は独自の発展を遂げていくが、実は京都の宇治茶の存在が大きく影響をおよぼしているのだ。
2019年には宇治市を中心とする山城エリアが「日本茶800年の歴史散歩」として日本遺産1号に認定。
今回の特集ではそんな宇治茶を知り、体験する旅を紹介する。
My Harvest
日本有数の高級茶の産地である宇治。ここでつくられる宇治茶をより深く理解するために、宇治茶道場「匠の館」を訪れるのはいかがだろうか。宇治川の畔に建ち、趣きある家屋で喫茶利用のほか、さまざまなお茶体験ができる。おすすめは「お茶の淹れ方教室」だ。1時間半をかけて日本茶インストラクターが玉露、抹茶、煎茶の三種の美味しい淹れ方や製法、効能をはじめ、お茶の歴史について丁寧に教えてくれる。
京都でお茶の栽培が始まったのは鎌倉時代だという。中国からお茶の種を持ち帰り、全国に栽培を広めていた栄西禅師(ようさいぜんじ)から、京都市右京区・高山寺の明恵上人(みょうえしょうにん)に種と栽培方法が伝わる。当時は、この高山寺のある栂尾(とがのお)で作られたお茶が”本茶”と呼ばれ、最高級を誇っていた。宇治茶の名が全国に轟くのは、お茶を飲み分ける闘茶で、”本茶”を凌ぐ美味しさが認められたことからだった。
さらに江戸時代には、宇治田原の永谷宗円(ながたにそうえん)が宇治茶製法を編みだす。宇治茶製法は、蒸し上げた茶葉を釜炒りする中国式の製法に対し、蒸した茶葉をもみながら乾燥させる製法で、これにより鮮やかな緑色の茶になるという。やがてこの製法が現在の煎茶、玉露へと発展していったそうだ。
「匠の館」ではそのほか、抹茶の表面に絵を描く「抹茶アート」、南北朝時代に大流行したお茶の銘柄を当てる娯楽「茶香服」など興味深い体験ができるので挑戦してみては。
※お茶の淹れ方教室、茶香服は予約制です。
抹茶の原料、碾茶(てんちゃ)を石臼で挽く石臼体験
「福寿園 CHA遊学パーク」は、創業230年を超える日本茶の老舗「福寿園」の体験・見学ができる施設で、京都府の南に位置する木津川市の近鉄「山田川駅」から徒歩7分というロケーションにある。パークには福寿園の研究所も含まれており、本格的な製茶機械を用いて摘みとった茶葉から、粗揉、揉捻、中揉、精揉、乾燥までお茶作りの一連の工程を体験できるコースや、パーク内の茶畑では新茶の季節に茶摘み体験も可能。そのほか抹茶の原料である碾茶(てんちゃ)を石臼で挽き抹茶を点てて飲む石臼体験、お茶のいれ方教室、本格茶室での茶道マナー体験ができるほか、お茶文化発祥の中国をはじめ、英国、ロシア、チベット、アラビアなど世界の喫茶スタイルを展示した世界の茶研究室などもあり、さまざまな角度から茶文化を学ぶことができる。
世界各地で親しまれているお茶文化を5つのブースに分けて展示する世界の茶研究室
抹茶の点て方を学び、味わう
京阪電車の「宇治駅」から徒歩約8分、源氏物語ミュージアム内にある日本茶カフェ「雲上茶寮」(カフェのみの利用も可能)はスタイリッシュな雰囲気の中、窓外に広がる坪庭を眺めながらおいしい宇治茶が味わえるコンセプトカフェ。薫や大君など、源氏物語にちなんだメニュー名が愉しい。
宇治茶は茶匠の協力指導のもと選りすぐって用意。温かい抹茶、玉露、煎茶を選ぶと、最適な茶器と湯温やタイミングで提供される。また、ゆっくり時間をかけて抽出した水出し冷茶は、美しいガラスボトルに入って登場する。抹茶のケーキや季節ごとに変わるスイーツ、ボウルパフェなどもおすすめ。
宇治散策のランチどころとしておすすめしたいのが辰巳屋だ。1840年に茶問屋として始まり、大正時代に料理屋となったという歴史ある京料理の料亭で、日本家屋の風格ある佇まいだ。ランチのみ抹茶料理コースを提供しており、コース内容の一例を挙げると、先々代から受け継いだという一子相伝の抹茶豆腐をはじめ、百合根抹茶掛け、海老の香煎揚げ抹茶塩、抹茶蕎麦、抹茶チーズケーキなど。一人前につき上等な抹茶を七服分とたっぷり使用している。
体験できる施設