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皇室ゆかりの草津の森を歩く、癒しの時間にひたる

2024/10/30

草津温泉に隣接する国有林を「草津森の癒し歩道」として整備されている自然歩道があります。「ロイヤルコース」「サイクリングコース」「やすらぎの森コース」の3つのコースのうち、天皇皇后両陛下(現在の上皇、上皇后両陛下)が散策された際にお褒めいただいたことをきっかけに名付けられた「ロイヤルコース」は、カラマツ林を主体として、多くの樹種が共生している森林に、アカマツのウッドチップが敷かれた癒しのコースです。今回、ロイヤルコースを実際に歩いてみて、癒しの時間にひたりました。

草津温泉に隣接するロイヤルコースを散策し、森林に包まれる

ロイヤルコースがある森は、カラマツ、ミズナラ等の混合林です。国有林の作業道を一般に開放。地域と吾妻森林管理署が共同でアカマツのウッドチップを敷き、整備しており、誰でも自由に散策することができる遊歩道となっています。
歩道内に設置されたロイヤルコースマップ。右回りと左回り、どちらからでも楽しめますが、今回は右回りでスタート。
ロイヤルコースは、緩やかな約1300メートルの周回コース。起伏も緩やかで距離も短いので、のんびりと散策できるのも特徴です。草津は”森林浴博士“として名高い神山恵三氏が、リラックス効果をもたらすと言われる成分『フィトンチッド』を日本で初めて測定したところでも知られています。
『フィトンチッド』とは、ロシア語由来で植物から発散されるテルペン類等の揮発性物質のことです。植物が幹や葉から放出した揮発している状態のテルペン類等の物質を浴びることを森林浴といい、テルペン類が部分酸化する際に現れるマイナスイオンの効果で精神安定効果ほか多くの有益な効果があるのだとか。草津の温泉街の近くに上信越高原国立公園に指定された広大な国有林がある場所から、吾妻森林管理署と地域が連携して森林と健康をテーマにした森づくりが始まりました。
ロイヤルコースを散策する際の楽しみ方といえば、歩道に敷き詰められたアカマツのウッドチップと、森林の香り。森の中で大きく深呼吸してみると、森の美味しい空気が身体に入り、とても癒される木の香りが。また、ウッドチップが敷き詰められた『そよ風広場』では、休憩を挟んで、さらに森の香りに包まれてみましょう。ベンチに腰掛けて、瞑想にふけるのもいいかもしれません。
ウッドチップの上に座ったり、靴を脱いで裸足で踏んだり、横になったりして、身体全体で森を感じてみては。

モネの「睡蓮の絵」を思わせる大谷地池まで歩いてみました

ロイヤルコースから少し外れますが、足を伸ばして欲しいのが「大谷地池」。池には、フランス絵画の巨匠・モネが描いた『睡蓮の絵』を模して作られた『モネの橋』と呼ばれる緑色の橋が架かっています。実際に訪れると、まさに絵画の中に入り込んだよう。撮影時には花は見られなかったのですが、散歩していた地元の方におうかがいしたところ、花のシーズンは6~8月、ハスの花が水面に浮かぶ風景は特に美しいとか。
カラマツ林を主体としてクリ、カエデ等多くの樹種が共生した「ロイヤルコース」。ウッドチップを敷いた道を歩いていくと、隠れコースがあり、ウリハタカエデや不思議な合体木など、短い距離ながら多様な自然の変化を発見することも。また、春や秋などに咲く草花も目を楽しませてくれます。手軽に草津の自然を満喫できる「ロイヤルコース」を散策して、草津ならではの大自然に心ゆくまでひたってみては。
<データ>
「草津森の癒し歩道 ロイヤルコース」
・群馬県草津町白根国有林157林班

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