草津温泉を楽しむステイ
新しい温浴体験“ルフロ(Le Furo)”で心と身体も健康に
2024/11/28
日本の温泉文化の一つである湯治を現代に取り入れた新しいタイプの温浴施設「ルフロ湯治(TOJI by Le Furo)」が話題です。第一人者である三田直樹さんにルフロとは何か?魅力や楽しみ方、健康効果などをインタビュー。そして、草津にルフロを造るとしたら、どういった施設が考えられるのかも教えて頂きました。
新しい温泉体験を提供する「ルフロ」とは?
「ルフロ」という名称は、フランスのLe という前置詞と「風呂」、風呂を再定義しよう、日本にある源泉を含めた様々な温泉資源の価値を高めていくというのを大きなテーマとして考えました。日本の温泉は石油・ガスと同様地下資源であるにもかかわらず、源泉が掛け流されていて、資源そのものとしての価値付けができていないことに問題意識を持ったことがきっかけです。その課題解決の一つとして、源泉地の土壌にある温泉成分を天然温泉中に抽出することで、濃度を数千倍に増強し、多額の輸送費をかけずに温泉を持ち運ぶことが可能になりました。源泉から直接湧出される天然温泉に対して、私たちはこれを「クラフト温泉」と名付けましたが、この開発により時間や場所を選ばずに好きな泉質を楽しむことができるようになりました。
温泉の国際化、市場化を目的に、日本の伝統文化である「湯治」を私たちは「TOJI」と名付けて、クラフト温泉がいつでも、どこでも楽しむことができるように普及活動をしています。
温泉の国際化、市場化を目的に、日本の伝統文化である「湯治」を私たちは「TOJI」と名付けて、クラフト温泉がいつでも、どこでも楽しむことができるように普及活動をしています。
TOJIスパの有効性や可能性とは
サウナや岩盤浴といった温浴施設が、体外に出すデトックスが目的だとすると、ルフロのTOJI SPAの目的は、あくまでも温泉成分を体内に入れること。温泉成分を体に取り込むことで、ミネラルが内臓酵素や細胞の「触媒」として体内で作用するので、体内の化学反応を促すことで生命活動全体が正常に機能するようになる。体内に温泉成分を入れた結果、上述の通り内臓や血管に対する触媒作用で全体の活動量が上がるため、脂肪を燃焼して熱エネルギーに変えるため、その力で体温が上昇し、結果温泉に入るとポカポカするというメカニズムです。
ルフロのTOJI SPAの特徴は、温度が38度から39度と極めて低く設定されているという点です。温浴施設としてはかなり低い温度ですが、実はこの38度は内臓の深部温度と同程度に設定しています。人間の体が最も心地よい温度は38度から41度といわれており、その温度帯では副交感神経が優位になります。通常この温度設定では体を温めることは難しいのですが、TOJI SPAでは温泉成分を高濃度で吸収することで、外部からの熱ではなく、自分自身の代謝の力で内臓から発熱することを目指しています。温泉成分によって代謝が上がることで、内臓自体が体温を維持し、体が内側からじんわりと温まっていくのが、この施設の大きな特徴です。
ルフロのTOJI SPAの特徴は、温度が38度から39度と極めて低く設定されているという点です。温浴施設としてはかなり低い温度ですが、実はこの38度は内臓の深部温度と同程度に設定しています。人間の体が最も心地よい温度は38度から41度といわれており、その温度帯では副交感神経が優位になります。通常この温度設定では体を温めることは難しいのですが、TOJI SPAでは温泉成分を高濃度で吸収することで、外部からの熱ではなく、自分自身の代謝の力で内臓から発熱することを目指しています。温泉成分によって代謝が上がることで、内臓自体が体温を維持し、体が内側からじんわりと温まっていくのが、この施設の大きな特徴です。
「TOJI SPA」の楽しみ方
理想的には、10分前後のTOJIの後に体温が38度になっていることを推奨しています。内臓深部が38度を超えると、熱のショックでできるタンパク質、ヒートショックプロテインが生成されますが、これは細胞の損傷を防ぐタンパク質の一群です。ヒートショック・プロテインはストレスに立ち向かい、損傷を受けた細胞を、ストレスがかかる前の状態に修復、整備する働きを持っています。これにより体の免疫が高い状態が作り出せますので、定期的に内臓の温度を上げてあげるような入浴が理想的です。サウナのような100度近い高温の環境で体温を上げようとすると、体力的にも人間の体の負荷が大変大きいので、できるだけ自らの力で体温を上げてあげるのが理想です。私たちはクラフト温泉の形状を吸収しやすいエアサプリと呼ばれる気体にして、温泉の成分濃度を高めることで、室温をあげることなく、体温を上げることが可能です。入浴の合間や湯上がり後は、大量に汗もかいていますので、クラフト温泉の飲泉をすることで、水分に加えミネラルの補充をしてもらうと良いと思います。クラフト温泉は、日本の厳しい飲料規格を満たした安全性の高い入浴液です。
「ルフロ」を草津に作るなら、こんな施設を作りたい
草津温泉は日本でも有数な酸性の温泉という特徴があります。酸性の特徴を生かした湯治は肌を活性化し、新陳代謝を高めます。「傷口を治癒する」、「痛みを緩和する」、温度が高いので、「熱効果で免疫を上げる」という効能があり、湯治場として昔より有名な名湯です。一方で、その特徴が際立ちすぎているので、心肺に負担をかけないためにも休憩を挟みながらの短時間の湯浴みや、半身浴での入浴がおすすめです。酸性の湯の後にアルカリ性の湯に入ると、皮膚をなめらかにする効能があるため、もしクラフト温泉施設を草津に作るとしたら、アルカリ性のお風呂の提供があると、今までの草津にはない入浴体験ができると思いました。草津でアルカリ性の温泉に入ることはできませんが、クラフト温泉技術を用いた泉質のバリエーションを増やす、という新しいイノベーションで、温度や泉質を調節した蒸し湯や入浴法を提供することが考えられます。家族や友人と一緒に草津で温泉を楽しむことができるような温泉を作れたらいいですね。
草津温泉のその場でしかできない体験、源泉かけ流しの魅力は大事にしつつ、私たちがお手伝いすることで、同じ草津でいろいろな性質の温泉が楽しめたり、草津温泉の源泉を使った濃縮還元型のクラフト温泉水をお土産用に開発したりして、家でも湯治ができるようにできたらいいですね。それができれば、草津温泉の旅館の方々にも貢献できますし、草津温泉のファンの方にも一年中、草津の温泉水で湯治ができるので、喜んでもらえるのではないかと思います。
草津温泉のその場でしかできない体験、源泉かけ流しの魅力は大事にしつつ、私たちがお手伝いすることで、同じ草津でいろいろな性質の温泉が楽しめたり、草津温泉の源泉を使った濃縮還元型のクラフト温泉水をお土産用に開発したりして、家でも湯治ができるようにできたらいいですね。それができれば、草津温泉の旅館の方々にも貢献できますし、草津温泉のファンの方にも一年中、草津の温泉水で湯治ができるので、喜んでもらえるのではないかと思います。
三田直樹(みたなおき)
株式会社Le Furo代表取締役。双日株式会社、Bloomberg、Barclays Capital証券、JPモルガン証券を通じて一貫して日本の資源トレーディング、リスク管理事業に従事。その後温泉の資源化と風呂文化の世界化を目的に株式会社Le Furoを創業。新たな資源としての温泉市場の創出を目指し、濃縮還元型の温泉原液である「クラフト温泉」を開発、従来の”地産地消型”の温泉文化に「流通」と「保存」という新しい概念を持たせることで、全国28,000箇所の源泉の資源化に取り組む。