

アクティブなステイ
冬限定の絶景を求めて雪原を歩き、白と緑のコントラストにひたる
2025/02/20
周囲を山々に囲まれた草津温泉は、町から少し離れるだけで豊かな自然に触れることができます。その中で貴重な体験ができるアクティビティが、冬にだけ開催されている「チャツボミゴケ公園スノーシュー ハイキング」です。冬季閉鎖中のチャツボミゴケ公園に入ることが許可されているのは、このツアーの参加者のみ。鮮やかな緑のチャツボミゴケを求めて、広大な雪原をスノーシューで歩きます。冬にしか見られない植物の姿、あちこちに残された動物の気配…。道中、目に映る光景すべてが新鮮で、そこには贅沢な時間が流れていました。
国の天然記念物「チャツボミゴケ」とは?
草津温泉から車で30分程度の隣町、中之条町に位置するチャツボミゴケ公園は、ラムサール条約*に登録されている芳ヶ平湿地群の一部。さまざまな高山植物や特別天然記念物の日本カモシカなど、多種多様な動植物が生息し、生態系を保っている国際的にも重要な湿地です。
チャツボミゴケもその希少な生態系の一つ。世界に約1万8千種あるといわれるコケ類の中で最も耐酸性があり、強酸性の鉱泉を好んで生息するという不思議なコケで、2017年には国の天然記念物に指定されました。
チャツボミゴケ公園には東アジア最大級のチャツボミゴケの群生地があり、鮮やかな蛍光の黄緑色が一面に広がる景色は圧巻です。春~秋は公園内を自由に散策でき、春はレンゲツツジ、初夏は新緑、秋は紅葉と、それぞれ季節の植物とチャツボミゴケとの共演による絶景を楽しめます。
*ラムサール条約…国際的に重要な湿地及びそこに生息・生育する動植物の保全を促進することを目的とした国際条約。
チャツボミゴケもその希少な生態系の一つ。世界に約1万8千種あるといわれるコケ類の中で最も耐酸性があり、強酸性の鉱泉を好んで生息するという不思議なコケで、2017年には国の天然記念物に指定されました。
チャツボミゴケ公園には東アジア最大級のチャツボミゴケの群生地があり、鮮やかな蛍光の黄緑色が一面に広がる景色は圧巻です。春~秋は公園内を自由に散策でき、春はレンゲツツジ、初夏は新緑、秋は紅葉と、それぞれ季節の植物とチャツボミゴケとの共演による絶景を楽しめます。
*ラムサール条約…国際的に重要な湿地及びそこに生息・生育する動植物の保全を促進することを目的とした国際条約。

一面の銀世界に、雪を踏み締める音が鳴り響く
「チャツボミゴケ公園スノーシュー ハイキング」を案内してくれるのは、野反湖うらやまガイドの木村正臣さん。山が好きで30年以上前に移住してきたという周辺の自然を知り尽くしたベテランガイドです。木村さんにスノーシューの履き方をレクチャーしてもらい装備が整ったら、早速、雪深い雪原に踏み出します。

このツアーは1日最大4名だけの少人数ツアー。冬の間は一般の立ち入りが禁止されているので、広さ約50万平米の公園には参加者以外に人がいなく、広大な白銀の世界を独り占めしているような気分に。真っ白な雪には足跡一つありません…と思いきや、小さな先客がいました。「足跡のサイズやつき方から、これはウサギだろう」と木村さん。この後も、リスやキツネ、イノシシや鹿と思われる足跡にあちこちで出合いました。見つけるたび、「何の動物だろう?」「どっちへ行った?」などとクイズのようにみんなで考えるのも、まるで楽しいアトラクションのようです。

地面がすっぽり雪に覆われているため、どこを歩くかは自由。近道して急な斜面をせっせと登ったり、珍しい植物を見つけて遠回りしたりと、道なき道を木村さんの後に続いて進んでいきます。静寂に包まれた真っ白な世界で、鳴り響くのは雪を踏み締めるザクッザクッという音だけ。次第に五感が研ぎ澄まされていくような心地良さに満たされていきます。

鮮やかな緑のチャツボミゴケ、自然美に感動の連続
休憩を挟みながら歩くこと約2時間、目的地であるチャツボミゴケの群生地「穴地獄」に到着しました。チャツボミゴケ公園は、かつて露天掘りによる採鉱が行われていた鉱山だったそう。その露天掘りの名残である窪みが「穴地獄」で、随所から強酸性の温泉水が湧き出ており、チャツボミゴケにとっては絶好の環境になっているのです。

周りは雪に囲まれていても、チャツボミゴケが生育しているところは温泉水が流れているため、雪がありません。木村さんによると「もっと蛍光の黄緑色が広がっている時もあれば、茶褐色が多い時もあります。ずっと観察していますが、それは季節や天気が関係しているわけではないようで、チャツボミゴケについてはわかっていないことも多いんです」とのこと。酸性の環境で生きられる不思議なチャツボミゴケと周囲に降り積もった雪、緑と白のコントラストが美しい冬の絶景に、自然の神秘を感じずにいられませんでした。

周囲の草木が葉を落としているため、チャツボミゴケが見やすいのも冬ならではの魅力。それは、ほかの植物も同じで、空を仰げば落葉した樹木の上のほうに丸く寄生する植物「ヤドリギ」が見え、白樺によく似たクリーム色の樹木「ダケカンバ」の美しい縞模様もじっくり観察できます。じっと春を待ち侘びて芽を出す準備をしているかのような「タラノキ」や「ハリギリ」など、山菜のなる樹も。普段、店頭で見慣れた山菜の姿とは全く違う裸の樹木に、思わず「へぇー」と声が出てしまいます。木村さんが「あった!」と声を上げて何かに近づくたび、知らない植物やその生きる知恵に出合い、ワクワクする発見の連続です。

雪山こその食事や遊びも普段とは違った味わいに
目的地の群生地に辿り着いたら、ランチタイム。冷たい空気の中、温かいカップラーメンをいただくと、いつも以上においしく感じるから不思議です。価格では測れない“価値”。それは、大人だからこそ感じられる贅沢なのかもしれません。

雪遊びも同じ。ふかふかの雪の上に大の字になって身を委ねてみたり、ソリで斜面を滑ってみたり…、周りの目を気にせず、ただ自分の楽しいと思う気持ちを解放する。大人になってから、そんな体験はなかなかできる機会がないでしょう。

大自然の中で神秘的な絶景と新たな発見に出合い、非日常にひたる。車で少し移動するだけで、こんな体験ができるなんて、やはり草津は自然豊かな土地だなとあらためて実感。ツアーが終わった後、体は心地良い疲れに包まれ、心はいきいきと洗われたような感覚に。冬にしか味わえない貴重な体験で、贅沢で豊かな時間を過ごすことができました。少人数ツアーで、ガイドが参加者に合わせてコースや行程をアレンジしてくれるので、体力に自信のない方でもご心配なく!
<データ>
「チャツボミゴケ公園」
住所:群馬県吾妻郡中之条町大字入山13-3
電話番号:0279-95-3111(中之条町六合振興課)
受付時間:4~9月8:45~15:30、10~11月8:45~15:00
休み:12~4月下旬まで冬季閉園
※季節・天候により変更されることがあります。
入園料:一般600円(小学生以下無料)
「チャツボミゴケ公園」
住所:群馬県吾妻郡中之条町大字入山13-3
電話番号:0279-95-3111(中之条町六合振興課)
受付時間:4~9月8:45~15:30、10~11月8:45~15:00
休み:12~4月下旬まで冬季閉園
※季節・天候により変更されることがあります。
入園料:一般600円(小学生以下無料)
「チャツボミゴケ公園スノーシュー ハイキング」
開催期間:1~3月(要事前申込)
代金:大人(中学生・12歳以上)1名9,400円、子ども(小学生以下・6~12歳未満)1名8,400
電話番号:0279-75-8814(中之条町観光協会)
行程:
10:30頃 JR長野原草津口駅集合
11:10 チャツボミゴケ公園着
スノーシュー散策(約200分)/約5km、標高差約300m
14:30 チャツボミゴケ公園発
15:15 道の駅六合(約45分)
16:00 道の駅六合発
16:20頃 JR長野原草津口駅着
※交通状況により時間が前後する場合がございます。
開催期間:1~3月(要事前申込)
代金:大人(中学生・12歳以上)1名9,400円、子ども(小学生以下・6~12歳未満)1名8,400
電話番号:0279-75-8814(中之条町観光協会)
行程:
10:30頃 JR長野原草津口駅集合
11:10 チャツボミゴケ公園着
スノーシュー散策(約200分)/約5km、標高差約300m
14:30 チャツボミゴケ公園発
15:15 道の駅六合(約45分)
16:00 道の駅六合発
16:20頃 JR長野原草津口駅着
※交通状況により時間が前後する場合がございます。