皆様、こんにちは。
有馬温泉も日増しに暑さを増し、汗ばむ陽気となって参りました。
自然豊かな有馬温泉でも有名なのが、有馬六彩の近くにある念仏寺の沙羅双樹です。
沙羅双樹といえば、平家物語の「沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす」で有名ですね。
沙羅の木は夏ツバキの別名で、花の見頃は6月中旬から下旬です。
朝咲いて夜には散ってしまう所から、世の無常を象徴していると言われます。
念仏寺の庭では、樹齢300年の沙羅の木を中央にして、二つの石が相対座しています。
向かって右を「ハマグリ」石、左を「スズメ」石と呼び、中国のことわざ、「雀は海に入りて蛤となる」を表現したものといわれています。
突風にあおられた沙羅の花がポトリとこの石の上に落ち、転がった後、苔の上で静かに休むという情景は、正に静寂そのものです。
一日で散りゆく儚さ。
しかしある書物では、「沙羅の花は一日だけの生命を悲しんでいるのではなく、与えられた一日だけの生命を精一杯咲き尽くしている」と記されています。
閑寂とした境内でひっそりと咲き誇る沙羅双樹の姿、皆様も、ぜひ一度見てみませんか。