こんにちは。ハーバルスパの小針です。
出張でバリ島へ行ってまいりました。
お休みの日を利用して、スタッフと一緒にインドネシアの伝統的な染め物である【バティック】作りを体験させていただきました。バティックは日本でも魅了される方が多く「どういう風に作ってるんだろうねー」というお声も耳にします。今回は、そのバティックができるまでの一連の工程を体験してきましたので、投稿させていただきます♪
「バティック」とは、「蝋纈(ろうけつ)染め」のことです。日本では「ジャワ更紗(さらさ)」の名前で知られています。蝋纈(ろうけつ)染めとは、溶かした蝋(ロウ)で布に模様を描いていきます。ロウを置いた部分だけ色は染まらない「防染(ぼうせん)」という技法を使った、世界でも稀にみる高度な染色手法が特徴的です。
起源は古代ジャワ王国の王宮文化にあり、王宮や一部貴族のみ着用が認められていました。
時代を超え、市民にも広がり国民的に愛される伝統柄となったバティックは、2009年についに【ユネスコ無形文化遺産】に認定されました。
本来の製法としてはすべて手作業で行っており、熟練の職人がひとつひとつ丁寧に手描きし、染色しているものです。
20世紀に入ってから、化学染料とプリント染色技術の発達により大量生産されたバティックが市場に溢れ、伝統的な
バティック技法は衰退していましたが、近年再び伝統的な技法で作られたバティックの良さが見直されるようになりました。(手描きのバティックの中には、ビックリするくらい高価な物もあるそうです!!)
バティックは日本でいう着物のように、インドネシアの正装・伝統衣装に欠かせないものとなっています。
今回お邪魔させていただいた体験教室は、自然に囲まれた緑豊かな[ウブド]という地域にあるカルチャースクールです。(そこのスクールには日本人スタッフも在籍されておりました!)
それでは、バティック作りの工程をご紹介致します♪
1【デザイン選び】
まずは約200種余りのデザイン画の中から描きたいものを選びます。(持込みもOKです。絵に自信のある方は、オリジナルのデザインも作ることができます!)
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2【鉛筆で下書き】
デザイン画の上に布を置き、鉛筆で模様を描きます。(今回使用した布は50cm四方大きさです)
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3【チャンティン書きの練習】
チャンティンという道具を使って、ロウ引きの練習をします。溶かしたロウをチャンティンというパイプのような道具ですくい、細い口から出るロウで線や点を描きます。(本描きの前に、チャンティンの持ち方から描き方までを試し生地で練習します。)
チャンティンを傾けると中に入っているロウが先端から出てきます。描く時にペンの傾け方によっては、下の木棒部分からロウが垂れてボタボタ落ちたり、またロウの温度によっては出過ぎたり、冷えて固まってくると出てこなかっりするので、こまめに熱いロウに入れ替えるなど、練習が必要です。
おかげさまで、手の震えと手汗がもれなく付いてくる、何とも繊細な手作業です!!(汗)
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4【本番!ロウで絵付け】
練習も程ほどに(デキる気がしません)本描きへ! 本番となると緊張感が大きくなり、震えたロウ引きと、更には生地にボタッとロウの雫が落ちてしまい、水滴のような跡がいっぱい…。痛恨のミスでテンション下がり目でしたが、隣で教えてくれていたバリ人の講師の方が「ダイジョブ!ダイジョブ!ナントカナル!」と流ちょうな日本語で励ましてくれるので、最後まで集中して作業に没頭!
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(5)【色付け】
色合いの希望をお伝えし、染料を調合していただきます。筆と太めの綿棒を使い染色していくのですが、色が枠からにじみ出てしまい他の色に侵略してくなど、またもや痛恨のミス!「まあ、でもこういうのがバティックらしさがあって、味が出ますしね!」と日本人講師の方からすかさず優しいフォロー。(本当ですか?)
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(6)【仕上げ】
色を定着させ乾燥させた後、お湯でグツグツと煮てロウを落とします。ロウを落とした部分は、白い線として残ります。天日干しして完成です!
今回はスケジュールの関係で、私たちは残念ながら【仕上げ】を実際に見ることができませんでした(涙)
色付けまでで終了となってしまいましたが、私たちが帰った後スタッフの皆さんが仕上げてくださり、なんと私たちの宿泊ホテルに完成したバティックを届けてくださるという、とても心温まる対応をしてくださいました。
バティック体験を終えてみて「難しいけど楽しい!」「今度はもっと大きめのものを作りたい!」という充実感が高く得られ、また子供のころに戻ったようなワクワク夢中なものに出会えて大満足でした!
体験後は、高度な手描きバティックをお店で見かける度に、職人さんを崇拝したくなるような気持になります。
バティックはインドネシアに古くから伝わる伝統的な染色法と花鳥風月を取り入れたモチーフが一般的ですが、最近は流行のデザインを取り入れたり、若い人たちもバティックをファッションの一部に取り入れたりと、老若男女問わず、とてもポピュラーなものとなっています。
新しい物を取り入れながら伝統を守っていく大切さは、日本の風調(趣)にとてもよく似ています。
皆様も、もしインドネシアに観光される機会がありましたら、お店で手描きバティックを実際に手に取ってみたり、
旅の記念にぜひ、バティック体験をしてみてはいかがでしょうか♪