【五家宝】
先日私の誕生日にフロントの姫野が
買ってきてくれた。
仕事柄、思い入れのある食べ物は
数多くあるが、「こいつ」には特別の想いがある。
話しは40年ほど前のことか・・・
ある日を境に「こいつ」がいつもの菓子缶に入っていた。
あまりの旨さに、麦茶片手に弟と奪い合って食べた。
翌日もまた同じように入ってた。
きっとおふくろが食べたくて・・なのだろうと思い
兄弟で相談し、2個だけ残して食べた。
また翌日、菓子缶を開けてみた。
昨日残した2個ともう一袋と走り書きが入ってた。
なんて書いてあったかは覚えていない。
『食べ過ぎないように・・・』みたいなことだったかと思う。
なぜか弟が泣いていた。
つられて私も泣いた。
子供ながらに、親の心を感じ取っていたのかもしれない。
今こうして「こいつ」を食べてみて
あの頃がとても懐かしく、
できることならおふくろに食べさせてやりたい・・と思った。